大原守民の漢方通信

漢方の考え方を紹介するブログです

花粉症の漢方療法 その⑧

花粉症の漢方療法 その⑧ スギは日本原産の常緑針葉樹で、恐竜が生息していた時代に起源をもつ古い植物で、「傍らにはびこらず上へ進み上る木」、進木(すすぎ)を語源としています。 近年、スギ花粉症の七割にヒノキ花粉症を併発しているとされていることか…

花粉症の漢方療法 その⑦

花粉症の漢方療法 その⑦ ヒトは生命を維持していくためには、外からエネルギーを取り込む必要があります。 消化管は、外から入ってくる食物、細菌、ウイルス、毒、化学薬品などの全てを異物と捉えていて、その異物が生命維持に必要なものか否かを識別してい…

花粉症の漢方療法 その⑥

花粉症の漢方療法 その⑥ 現代社会は夜間活動の増加に伴って24時間、音や光などであふれています。 このような生活様式が、知らず知らずのうちに様々な体調の不調を起こしています。 花粉症もそのひとつといっても過言ではありません。 花粉症の最大の原因…

花粉症の漢方療法 その⑤

花粉症の漢方療法 その⑤ 霊長類が一億年ほど前に発生して、人類の祖先が現れたのが400~300万年前と推定されています。 人類が小麦や米などの穀類を食べ始めたのは、わずか1万年前の農耕文明以降で、それまでは採集、狩猟、漁労などによって生計を立ててい…

花粉症の漢方療法 その④

花粉症の漢方療法 その④ 今や現代病と言われる花粉症はヒト特有のものと思われてきました。 しかし近年ではペットや、野生動物のサルにも花粉症と思われる事例が数多く報告されるようになってきています。 本来、野生動物は生まれつき花粉が飛び回る森の中に…

花粉症の漢方療法 その③

花粉症の漢方療法 その③ 西洋医学ではスギ花粉症の発生するメカニズムを次の様に説明してきました。 「スギ花粉に対してのIgE抗体の閾値《いきち》というキャパシティに個人差があり、その閾値を超えると症状が出る」。 いわゆる「バケツ(もしくはコップ)…

花粉症の漢方療法 その②

花粉症の漢方療法 その② 花粉症の漢方治療は、症状そのものを抑える治療が中心になりがちですが花粉症になりやすい体質を改善して病気になりにくい体を作ることが理想です。 東洋医学では、花粉症の症状を体内の水分バランスの異常と捉えて体内で発生した内…

花粉症の漢方療法 

花粉症の漢方療法 その① 花粉症は季節性アレルギー性鼻炎に分類され、花粉が原因となって起こる場合の通称を花粉症と呼んでいます。花粉症を起こす植物は50種類以上あると言われていて主なものとして、1~4月はスギ、3~5月はヒノキ、マツ、4~10月は…

【特別編】新型コロナウイルス肺炎の漢方療法(続続)

【特別編】新型コロナウイルス肺炎の漢方療法(続続) ついにパンデミック宣言 WHOが新型コロナウイルス感染症について、パンデミックを宣言しました。新型コロナウイルスを「SARS-CoV-2」呼び、新型コロナウイルス感染症の病名は「COVID-19」と名付けら…

【特別編】新型コロナウイルス肺炎の漢方療法(続)

【特別編】新型コロナウイルス肺炎の漢方療法(続) 普段は特定の動物と共存している 新型コロナウイルスの感染が中国の武漢から世界中に広がっていて、終息の見込みが立っていません。コロナウイルスは自分で生きていくための細胞を持たないので、常に他の…

【特別編】新型コロナウイルス肺炎の漢方療法

【特別編】新型コロナウイルス肺炎の漢方療法 西洋医学と東洋医学の考え方の違い 変異したコロナウイルスによる新型肺炎が広まっています。そして、何よりも驚異なのが新型肺炎になることや、その時の薬がないことです。西洋医学のウイルスに対する考え方で…

目の病気

五感と五官《ごかん》 人や動物は、視覚、味覚、触角、嗅覚、聴覚の五つの感覚の五感《ごかん》によって、外界の状態を認識しています。東洋医学では、五感に対応する器官を五官《ごかん》と言い、目、口(舌)、皮膚(口唇)、鼻、耳、の五つを指します。五…

心の病気

生活が豊かになると「心の病気」が増える? 現代社会は、様々なストレスに囲まれている社会で、「心の病気」で悩む人が増えています。心の病気は、精神や身体の働きが、不安定になり、日常生活に支障をきたしてしまう病気で、本人がコントロールできない全身…

女性のからだ

女性は弱々しいのが美人? 『立てば芍薬《しゃくやく》座れば牡丹《ぼたん》歩く姿は百合《ゆり》の花』とは美人を形容する言葉ですが、実は病弱な女性の症状を表わしています。 病症と生薬を表わす『ことわざ』だった! それと同時に、そのような女性に用い…

男のからだ

男は何歳が絶頂期⁉ 現存する中国最古の医学書、黄帝内経《こうていだいけい》によると、女性のからだは7の倍数で変化が訪れ28歳がピークになりますが、男性は8の倍数の32歳が最も気力と体力に充実を感じるときで、その後は徐々に衰えていくと書かれて…

カゼの漢方療法その①

カゼの原因のほとんどがウイルス感染 カゼの原因の90%以上がウイルスによることから、一般にカゼと言っているのは、ウイルスによる上気道感染症を指します。また、ウイルスによる消化管感染症は、「お腹の風邪」などと分けて呼んでいます。カゼの病原とな…

ヒポクラテスと東洋医学の考えは同じ

化学薬品は救急薬: 西洋医学と化学薬品は戦場医学として発達した側面があり、基本的には緊急時の医療ですので、応急処置が必要な場面で最も効果を発揮する医療になります。 これらの化学薬品は作用が強く緊急時に絶大な効果を発揮するのも事実です。 しかし…