大原守民の漢方通信

漢方の考え方を紹介するブログです

花粉症の漢方療法 その⑥

花粉症の漢方療法 その⑥

現代社会は夜間活動の増加に伴って24時間、音や光などであふれています。

このような生活様式が、知らず知らずのうちに様々な体調の不調を起こしています。

花粉症もそのひとつといっても過言ではありません。

花粉症の最大の原因は糖質過剰摂取による摂食性のストレス反応と考えておりますが、他にもそれを増長する要因として、音や光などがあります。

地球上の動物や人間の目は光源を直接見るようには進化していなくて、全て反射した光でものを見るようにできています。

人間の水晶体は凸レンズですので、虫眼鏡で太陽の光を集める実験と同様に、太陽を直視すると網膜が焼けて破壊されてしまいます。

ですから弱い光源だとしても、直視してはいけない訳なのです。

しかし現代ではパソコン、スマートフォンなどからの光源を直視しています。

これらから発生するブルーライトとは、可視光線の中でも、最も波長が短く、強いエネルギーを持っています。

ブルーライトは脳を刺激して交感神経を亢進させる働きがありますので、自律神経のバランスが崩れ、花粉症だけではなく睡眠関係を中心とした身体の不調が起こります。

例えば、夜になると目がさえる、朝になると眠くなる、夜中に途中覚醒する、夢をよく見るなどの他に、瞳孔の拡大、日中の眠気、倦怠感、うつ傾向、手汗の増加、便秘、下痢、生理周期の乱れ、生理痛の悪化などが発生してきます。

特に春は交感神経が一年の内で最も刺激される時期で、太陽の高度が少しずつ高くなり、網膜に到達するブルーライトの量が増加してきます。

また年末年始から続いた過食や糖質過多も影響して、花粉症の素地ができ上った状態の時に、春のスギ花粉がやってくることで症状が強くなると思われます。

近年、発症が少ないといわれていた小児での花粉症や気管支喘息が増加していて、その重症度も悪化したとの報告があります。

今までは、「小児は免疫力が低いから、花粉症のような過剰免疫反応は少ない」と医療関係者は説明してきましたが、その説が怪しくなってきました。

花粉症、気管支喘息アトピー性皮膚炎は、「甘いものが多いと治りません」と、言い続けていますが、残念なことに誰もが糖質の依存性からは脱却できていません。

漢方では、音や光によるストレス反応には、副交感神経を刺激する『黄連解毒湯《おうれんげどくとう》』や、肝臓に作用してイライラや怒りっぽい状態を解消する『航気散《こうきさん》』、などを用いて、自律神経の安定をはかることで対処ができます。

また鼻の穴の中には「オゾン化グリセリン」を塗るセルフケアをしていただいています。